建物の外に出ると目の前の路上に、黒のセレナが口を開けて待ってた。
後部シートに荷物ごと押し込まれ、助手席のドアが荒く音を立てたと同時、西沢さんは車を発進させる。あっという間だった。
まだ落ち着かないあたしを他所に誰かとワイヤレスイヤホンで通話を繋げ、榊が何度か低く相槌を打つのが聴こえた。買い物中もずっと西沢さんとそうして情報を共有してたから、あの行動だったんだってやっと納得がいって。間髪を容れず今度はバッグの中で、あたしのスマホが震えながら軽快なメロディを響かせる。
瞬間的に相手も分かり、息を吸い込んでお腹の底に力を込めると画面をタップして耳元に当てる。
「真?」
『ゴメン宮子、この埋め合わせはゼッタイする』
取り繕ってあやすみたいな優しい声。
「なんかあったの?」
冷静にさり気なく。
ねぇ真、あたしは責めたいんじゃないよ。隠されたくないだけ。ちゃんと分けてほしいだけ。どんなことでも・・・!
『ちょっとだけな。心配ねーから大丈夫。あとでオマエにも話すよ』
「・・・ん、分かった。帰ったら聴くね」
『ほんとにゴメンな』
「真のせいじゃないでしょ?」
『けど・・・ゴメン』
真は言い足りないみたいに最後も謝りながら。
辛そうに笑った顔が手に取るようで。・・・胸の奥がぎゅっと締め付けられた。
黒くなった画面をじっと見つめ、ふっと躰の力を抜く。
帰ったらあんたを抱きしめてちょっとだけ文句言うの。
でもあたしの気が済むまでキスしてくれたら、笑って許すから。
プラマイゼロだからね。
どっちかだけマイナスなんて違うでしょ。
二人で生きてくってそういうコトなんだから。
後部シートに荷物ごと押し込まれ、助手席のドアが荒く音を立てたと同時、西沢さんは車を発進させる。あっという間だった。
まだ落ち着かないあたしを他所に誰かとワイヤレスイヤホンで通話を繋げ、榊が何度か低く相槌を打つのが聴こえた。買い物中もずっと西沢さんとそうして情報を共有してたから、あの行動だったんだってやっと納得がいって。間髪を容れず今度はバッグの中で、あたしのスマホが震えながら軽快なメロディを響かせる。
瞬間的に相手も分かり、息を吸い込んでお腹の底に力を込めると画面をタップして耳元に当てる。
「真?」
『ゴメン宮子、この埋め合わせはゼッタイする』
取り繕ってあやすみたいな優しい声。
「なんかあったの?」
冷静にさり気なく。
ねぇ真、あたしは責めたいんじゃないよ。隠されたくないだけ。ちゃんと分けてほしいだけ。どんなことでも・・・!
『ちょっとだけな。心配ねーから大丈夫。あとでオマエにも話すよ』
「・・・ん、分かった。帰ったら聴くね」
『ほんとにゴメンな』
「真のせいじゃないでしょ?」
『けど・・・ゴメン』
真は言い足りないみたいに最後も謝りながら。
辛そうに笑った顔が手に取るようで。・・・胸の奥がぎゅっと締め付けられた。
黒くなった画面をじっと見つめ、ふっと躰の力を抜く。
帰ったらあんたを抱きしめてちょっとだけ文句言うの。
でもあたしの気が済むまでキスしてくれたら、笑って許すから。
プラマイゼロだからね。
どっちかだけマイナスなんて違うでしょ。
二人で生きてくってそういうコトなんだから。



