熱をすべて奥に放って荒く呼吸しながら、そのままあたしの胸元に顔を埋める愛しい男の。頭を抱き寄せて濡れ髪の上からキスを落とす。
見た目より筋肉質な腕が背中に巻き付けられ、逃がさないで紅い痕を幾つもそこに残された。



お湯から上がる前。脚の間にあたしを前抱きにして真が言った。

「オマエにヘタな真似したら、志信さんが頭下げても高津を潰すよ」

感情の籠らない、淡淡とした声だった。

「オレはそんなに甘くない」

「・・・うん」


その時はあたしも同情なんてしない。
高津さんが可哀想な人で、ほんとはどんな人だったとしても。

胸を痛めたりなんか。・・・しない。