・・・・・・なぁ。
そんなに泣くな。


動かない腕を伸ばして、あいつを抱き寄せる。
胸にすがって駄々をこねるお前。
愛しい女が俺を引き留めて泣く。

俺なしに生きられない女がいる。ここに。



ああ・・・・・・。
このまま行きてぇな。ふたりで。

お前を連れてどこまでも。
・・・生きてぇな。

お前のそばで。
逝きてぇな・・・・・・。






遠く近く、真の声がする。





あいつが。俺の名を呼び続ける。





・・・・・・・・・悪ぃな、少し寝かせろ・・・。目ェ開けてられねぇんだよ・・・。起きたらなんでも聞いてやる。文句でも説教でも言いたいだけ言わせてやるから。



俺は相変わらず不機嫌な(ツラ)して。



お前が笑うのを、また見てぇな。






なぁ・・・、宮子。





Fin