シノブさんも仁兄もいるそこだけ、他と空気(オーラ)が違って見える。プライベートでこの顔ぶれが揃うなんて一生に一度あるかないか。それこそ永久保存版で動画に残しときたかった! 

・・・のは山々、でもカメラマンさんにビデオ撮影をお願いしたのはチャペルでの式だけ。理由は明瞭。万が一誰かが(特に、細かいコトは気にしないシノブさん?)マズイこと喋っちゃったりとか、とてもとても映像に残せないって真と意見が一致したから。

あとは写真で残してもらうことにしたんだけど、プランナーさんの『正気(なんで)?!』って言わんばかりの表情は今でも鮮明に思い出せるよ・・・・・・。

ちょっと遠くを見つめてたら紗江が寄ってきて小首を傾げる。

「ねぇ宮子、榊クンはどうしたの? あたしまだ会ってないけど」

「俊哉は取りあえず見廻り。外は見張れても、中はあんまりウロウロさせらんねーからさ」

「ああ・・・なるほどね」

飲み込みよく真の説明にあっさり頷いた彼女。
結婚式場に襲撃かけてくるアホはいないだろうけど、絶対は無いのがこの世界。

「大丈夫だからね紗江。ウチからも精鋭部隊連れてきたし、藤さんもシノブさんもその辺はしっかりしてるから!」

声を潜めてきっぱり断言するあたし。

「頼もしいわねー。すっかり極妻って感じ?」

「もう、からかわないでよ~」

「そっちの心配はしてないわよ。だって遊佐クンがいて、他人に結婚式を台無しになんかさせるわけないでしょ?」

「さすが。よく分かってるねぇ」

澄まし顔の紗江に真が余裕の笑いを返して。ゲストと家族はチャペルへの移動のアナウンスがかかった。

織江さんや由里子さんもあたし達に笑顔を向け控え室を出て行く。しんがりのユキちゃんが無言で微笑みを浮かべたのを見送り、二人きりになって静かに真と目を合わせた。

「・・・仁兄にオマエを譲んなくてよかった」

「あたしも間違えないでよかった・・・」

囁いて顔を寄せ、触れるくらいのキスを交わす。



ゴメンナサイ神父さま。・・・ちょっとだけフライングで。