「・・・ある程度、行動範囲が制限される遊佐さんが特別扱いされてるのは否めない。そのうえ総代が溺愛してる孫娘と結婚するとなったら、取り入るか排除に走るか、周りは牙を隠した毒蛇だらけさ。本当に遊佐さんを思うなら、あのまま木崎さんと結婚するべきだったのかな、酷な道を選ばせるよりは」
中庭に向けてた眼差しがゆっくり戻り、あたしに留まる。耳の奥に静かに残響する声。なにかを言おうとして、でも。呪いをかけられたみたいに喉の奥に貼り付いて出てこない。
「君が彼を守る? たとえ本家のお嬢さんでも権限はなにもない。何よりそんな守られ方は屈辱でしかないよ、男にとって」
言い返せない。高津さんの言ってることはどれも間違ってなくて・・・!
どんどん。絡め取られてく。なにかを。吸い取られてく。
ウエイターが来てお皿を下げ、花の絵柄のコーヒーカップを目の前に置いてった。
暗褐色の水面が揺れてる。
揺れてる。
「そろそろ遊佐さんに連絡してあげないと心配してるよ、きっと」
柔らかい声があたしの中をすり抜けてく。ただ。・・・風みたいに。
中庭に向けてた眼差しがゆっくり戻り、あたしに留まる。耳の奥に静かに残響する声。なにかを言おうとして、でも。呪いをかけられたみたいに喉の奥に貼り付いて出てこない。
「君が彼を守る? たとえ本家のお嬢さんでも権限はなにもない。何よりそんな守られ方は屈辱でしかないよ、男にとって」
言い返せない。高津さんの言ってることはどれも間違ってなくて・・・!
どんどん。絡め取られてく。なにかを。吸い取られてく。
ウエイターが来てお皿を下げ、花の絵柄のコーヒーカップを目の前に置いてった。
暗褐色の水面が揺れてる。
揺れてる。
「そろそろ遊佐さんに連絡してあげないと心配してるよ、きっと」
柔らかい声があたしの中をすり抜けてく。ただ。・・・風みたいに。



