男の意地とプライドを盾にしたままでいいの。ちょっとでもいい、背中を預けてよ。そのくらいの重みしっかり受け止めてみせるから。

「これでもけっこう頑丈にできてるんだからね。あんたを取り返したあたしの根性を信じなさい?」

包み込むように後ろ頭を優しく抱き締めて言うと、身じろぎした真が顔を上げて目が合った。

「・・・宮子にはときどき勝てる気がしない」

「全戦全勝したい気持ちも分かるけど、引き分けぐらいは譲ってよ」

「考えとく」

素直にうんて言わないトコはあんたらしい。
小さく困り笑いを零せば、のっそり上体を起こした真にあたしも引き起こされて腕の中にすっぽり収まる。

「なんだかんだってオレはオマエに弱音吐いてるし、気合いも入れ直せてんの。宮子は気付いてねーだけ」

「ほんとに?」

「ん、大丈夫だよオレは。オマエさえいてくれれば」

ひどく甘い響きに。心臓がきゅっと震えて真の胸にすがりつく。

「・・・風呂入ろ宮子」

笑んだ気配がして。
見上げるともっと甘い顔をした男が。あたしを優しく見つめてた・・・・・・。