「……では、例のプログラムを開始すると…?!」
「…もちろんだ…。」
広いホールで数百人の男女が今後の日本国の存続を決めるであろう、大規模な会議を開いている。
「…総理!!もう一度お考えになった方が…」
「…私に口答えをするのか?」
「……いえ…そういう訳では………申し訳ございません…」
男はぺこりと会釈するとそのまま席に着いた。
「…確かに今回の案は国民に反感を買うだろう…。だが…このままだと国が滅びるんだ…!……人口の増加が災いして…国の予算はもう底をついてしまった。…致し方ないことだ…!」
静寂で満たされた…
確かに現状はその通りだ。
近年日本国の人口は『億』を通り越して『兆』となり、各都道府県の至る所で食糧不足や資金問題がネックとなっていた。
人口が増えたことによって一戸建て住宅が次々マンションにへと変化を遂げ、ちょっと行楽地へ足を運べば渋滞や行列が待ち伏せていた。
1年前、人口増加の対策が可決する寸前に前就任の総理が肺ガンによって息を引き取り、急遽総選挙で就任した総理が人口増加の問題を引き継ぐことになった…