たとえ君が・・・

「ほら。うまいぞ?」
渉が多香子の皿に餃子を二つのせた。
「ありがとう。」
疲れ切った顔の多香子はラーメンが届くと退勤するときにほどいていた髪を再び結び、大きな口で食べ始めた。
見ていて渉はうれしくなる。誘ってよかったと渉は心から思っていた。
「うまいか?」
「おいしい・・・」
「よかった。」
多香子はラーメンを半分ほど食べるとペースがぐんと落ちた。
渉からすすめられた餃子も3個目がまださらに残っている。
するとそのタイミングで渉は店員を再び呼んだ。
「バニラアイスひとつ。」
渉はそう告げると多香子のラーメンのどんぶりを自分の方へ移動した。
「これは食べろよ?」
と餃子を見る。
すると多香子はさらに残していた餃子を一口に頬張った。
「お前って、ごはんの時リスになるよな。」
渉の言葉に多香子は渉を見る。