「高水さん、何か困ったことがあればお伝えくださいね。」
無脳症の子供を妊娠している患者はすぐに入院した。
夫婦は高水といい、二人とも28歳とまだ若い。
妻は現実をまだ受け入れることができていないようで、涙を流してはぼーっと空を見つめていた。
夫は妻の体を気遣い気丈にふるまってはいるが、かなり疲れた表情をしている。
「点滴しますね。」
多香子が高水に点滴をすると妻は多香子の方をじっと見た。
「どうされましたか?」
多香子は患者の気持ちを考えて、なるべくゆっくりと接するようにしている。
「動くんです。」
「え?」
「この子。ちゃんと動くんですよ?」
無脳症の胎児も胎動を感じる。しかしそれは赤ちゃんの意志で動いているのではなく、健常児はある程度のサイクルで眠る、起きるを繰り返しているが、無脳症の胎児はそれがない。
明らかに健常児とは違った胎動でも、初産の患者にはわからない。
「もしかしたら、出産したら無脳症じゃなかったっていう奇跡がないか・・・無脳症でも一年近く生きられるケースもあるって・・・」
妻が涙に詰まるとすぐに夫が隣に寄り添い背中をさする。
無脳症の子供を妊娠している患者はすぐに入院した。
夫婦は高水といい、二人とも28歳とまだ若い。
妻は現実をまだ受け入れることができていないようで、涙を流してはぼーっと空を見つめていた。
夫は妻の体を気遣い気丈にふるまってはいるが、かなり疲れた表情をしている。
「点滴しますね。」
多香子が高水に点滴をすると妻は多香子の方をじっと見た。
「どうされましたか?」
多香子は患者の気持ちを考えて、なるべくゆっくりと接するようにしている。
「動くんです。」
「え?」
「この子。ちゃんと動くんですよ?」
無脳症の胎児も胎動を感じる。しかしそれは赤ちゃんの意志で動いているのではなく、健常児はある程度のサイクルで眠る、起きるを繰り返しているが、無脳症の胎児はそれがない。
明らかに健常児とは違った胎動でも、初産の患者にはわからない。
「もしかしたら、出産したら無脳症じゃなかったっていう奇跡がないか・・・無脳症でも一年近く生きられるケースもあるって・・・」
妻が涙に詰まるとすぐに夫が隣に寄り添い背中をさする。



