たとえ君が・・・

渉は多香子の頬に触れた後、その体を強く抱きしめた。
「笑えたのか・・・?」
その声が震えている。

多香子自身、全く自覚はない。

でも、渉の体が震えていて多香子はその背中に手をまわさずにはいられなかった。

いつもは自分よりもとても大きく感じる渉の体が小さく感じる。





いつもこうして自分のそばにいて、いつも励まし支えてくれる渉が自分のために体を震わせている。

その事実に多香子の心は震えた。