「瀬戸さん、203号の柏木さんのカルテなんだけど。」
渉が話しかけると多香子がじっと渉を見る。
「なに?」
たじたじになる渉に多香子は渉の胸を指さした。
「手に持っているのは何ですか?」
「・・・カルテ・・・」
「わかり切った嘘はやめてください。」
付き合いの長い多香子にはなんだってお見通しだ。
「カルテに記載のないものはすでにデータ入力済みです。ご自分で確認してください。」
「・・・はい。」
渉の作戦もむなしく多香子は歩き出す。
「多香子」
慌てて名前を呼ぶと多香子はピタリと足を止めて振り向いた。
「名前で呼ばないでください。院長。」
「すみません。」
「それから、ロボットの噂は聞こえています。ずっと。」
焦る渉に多香子はいつものように表情一つ変えずに伝えると再び体の向きを変えて歩き出した。
渉が話しかけると多香子がじっと渉を見る。
「なに?」
たじたじになる渉に多香子は渉の胸を指さした。
「手に持っているのは何ですか?」
「・・・カルテ・・・」
「わかり切った嘘はやめてください。」
付き合いの長い多香子にはなんだってお見通しだ。
「カルテに記載のないものはすでにデータ入力済みです。ご自分で確認してください。」
「・・・はい。」
渉の作戦もむなしく多香子は歩き出す。
「多香子」
慌てて名前を呼ぶと多香子はピタリと足を止めて振り向いた。
「名前で呼ばないでください。院長。」
「すみません。」
「それから、ロボットの噂は聞こえています。ずっと。」
焦る渉に多香子はいつものように表情一つ変えずに伝えると再び体の向きを変えて歩き出した。



