渉が病棟に戻るとナースたちが多香子の話題で盛り上がっていた。
「ロボットがさぁ。」
渉は多香子が同じ病棟の看護師からロボットというあだ名で呼ばれていることを知っていた。
昔はそんなんじゃなかったのに・・・多香子は大きな悲しみの後、人前で表情を変えなくなった。
涙もなければ笑顔もない。そんな彼女をいつしか周囲の人はロボットというようになった。
「さっきの死産でも全然表情も変えないで後片付けするの。亡くなった赤ちゃんを抱いても表情一つ変えずに。あの人は助産師に向いてないわよね。心が凍っていて、あれじゃあ赤ちゃんの母親がかわいそうすぎる。」
「瀬戸さんて出産のときも表情一つ変えないわよね。おめでたい時も全然笑わない。」
そんな会話を聞きながら渉は白衣のポケットに手を入れて廊下に立ち尽くしていた。
ふと廊下の向こうを見ると多香子が歩いてくる。
このままだとこの話が多香子の耳に入ってしまう。
渉は急いで多香子の方へ歩き出した。
「ロボットがさぁ。」
渉は多香子が同じ病棟の看護師からロボットというあだ名で呼ばれていることを知っていた。
昔はそんなんじゃなかったのに・・・多香子は大きな悲しみの後、人前で表情を変えなくなった。
涙もなければ笑顔もない。そんな彼女をいつしか周囲の人はロボットというようになった。
「さっきの死産でも全然表情も変えないで後片付けするの。亡くなった赤ちゃんを抱いても表情一つ変えずに。あの人は助産師に向いてないわよね。心が凍っていて、あれじゃあ赤ちゃんの母親がかわいそうすぎる。」
「瀬戸さんて出産のときも表情一つ変えないわよね。おめでたい時も全然笑わない。」
そんな会話を聞きながら渉は白衣のポケットに手を入れて廊下に立ち尽くしていた。
ふと廊下の向こうを見ると多香子が歩いてくる。
このままだとこの話が多香子の耳に入ってしまう。
渉は急いで多香子の方へ歩き出した。



