渉が少し体をよけると多香子は慣れた手つきでお墓を掃除する。
高いところを拭くのを渉が手伝うと「ありがとうございます」と多香子はよそよそしく言った。
掃除が終わると多香子は新しい花を手向ける。
そして線香に火をつけようとすると風が吹きなかなか日がつかなかった。
すかさず渉が大きな手で線香に火がつくように風よけを手でつくる。
多香子はそんな渉の行動にもぺこりと頭を下げた。
しばらく手をあわせた多香子は渉の方を振り向いた。
「・・・」
何となく気まずくて二人はほとんど話をしないまま来た道を戻る。途中で多香子は「じゃあ、これで」と墓地を出る方向ではなく進路を変えた。
「今日は俺も手、あわせたいから」
と渉も同じ方向に進んだ。
そこは水子供養をする場所だった。
渉は病院で失った命の供養をこの場所でしていた。
毎月一度は訪れて救えなかった命に手をあわせる。
多香子は一年に一度、慶輔の場所へ寄った後に手をあわせに寄っていた。
高いところを拭くのを渉が手伝うと「ありがとうございます」と多香子はよそよそしく言った。
掃除が終わると多香子は新しい花を手向ける。
そして線香に火をつけようとすると風が吹きなかなか日がつかなかった。
すかさず渉が大きな手で線香に火がつくように風よけを手でつくる。
多香子はそんな渉の行動にもぺこりと頭を下げた。
しばらく手をあわせた多香子は渉の方を振り向いた。
「・・・」
何となく気まずくて二人はほとんど話をしないまま来た道を戻る。途中で多香子は「じゃあ、これで」と墓地を出る方向ではなく進路を変えた。
「今日は俺も手、あわせたいから」
と渉も同じ方向に進んだ。
そこは水子供養をする場所だった。
渉は病院で失った命の供養をこの場所でしていた。
毎月一度は訪れて救えなかった命に手をあわせる。
多香子は一年に一度、慶輔の場所へ寄った後に手をあわせに寄っていた。



