たとえ君が・・・

救えなかった命。
失った命。

うまく守れなかった日々。
支え方が分からず何もできなかった日々。

出会ってから今までのいろいろな感情があふれて渉は涙をこらえきれなかった。

多香子も同じだ。

二人で涙を流しながら生まれたばかりの我が子を間に幸せをかみしめていた。

「多香子。ありがとう。」
そう言いながら顔をくしゃくしゃにして泣く多香子を見つめた渉。

この命に会うために生きて来たかのように、生きることの意味を実感できたような気がした。