すぐに医師や看護師が病室に入り処置をはじめ患者は手術室に移動になった。その間もストレッチャーに乗ったまま多香子は心臓マッサージを続ける。
手術室に入ると看護師や医師が手術の支度をしている最中も多香子は心臓マッサージを続けていた。
呼び出された麻酔科医が患者に麻酔をかけはじめる。
その時『ウィーン』手術室の扉があき、手術衣に着替えた渉が入ってきた。
一瞬にして張り詰めていた空気が変わる。

「お疲れ。変わる。」
渉の声に多香子が心臓マッサージを渉に代わる。
背の高い渉はストレッチャーにのらなくても患者に適切なマッサージができる。
「多香子も支度して。」
「はい。」
多香子はすぐに手術に入る支度をした。