たとえ君が・・・

そんなことを考えながら多香子を抱きしめ続けた。


数日後、渉と多香子は以前勤務していた総合病院に来ていた。
検査をする部屋にはすでに理恵が待機している。

多香子と渉を見て、理恵は何も言わなかった。
現状はすべて知っている。そのうえで二人に何も言わずにただ力強く頷いた。

理恵に手伝われながら多香子は検査用の服に着替えをした。そしてベッドに横になる。

多香子の精神的な状況を考えて検査は一日かけて、多香子を薬で眠らせた状態で行うことをあらかじめ決めていた。

その間に渉は白衣に着替えて検査に自分も加わる準備をした。準備をしていると誰かに思い切り背中をたたかれた。
振り向くとそこに立っていたのは、朝陽だった。