たとえ君が・・・

『失礼します』
多香子は渉に呼ばれて院長室へ入った。

めったに院長室にいない渉。
その渉が院長室に多香子を呼び出す時点で、多香子は先日受けた検査の結果になにか問題があったのだと予感していた。

渉は多香子が院長室に入ってくると立ち上がり多香子のそばに近づいた。

そして言葉がないままに多香子の体を抱きしめる。




多香子は目を閉じた。
渉の表情を見た瞬間、自分の予感が確信に変わった。

その話を聞く覚悟を決めるように目をギュッと閉じて渉のぬくもりを感じた。