たとえ君が・・・

渉の声が震えている。多香子は必死に渉の背中に回す自分の手に力を込めた。


「ごめん・・・。多香子。ごめん・・・慶輔・・・ごめん・・・ごめん・・・」




あの時自分が赤ちゃんを救うことができていたら、多香子は5年もの間つらい気持ちを引きずったまま過ごすことはなかったかもしれない。
未来に希望を持ち、新しい命の誕生や成長の喜びに病気になんてならなかったかもしれない。

慶輔の両親に会った時も、渉は慶輔の両親にも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

孫の存在が二人を励ましたかもしれない。