たとえ君が・・・

「息子の愛した人です。でも、息子は多香子さんに悲しみや孤独をのこしてしまった。私たちには息子の代わりはできません。本当にいい子なんです。きっとあなたも分かっていると思いますがあえて言わせてください。」
「はい」
「こんなにいい娘を。かわいい娘を。大切な娘をよろしくお願いします。」
慶輔の両親が渉に向かい頭を下げた。
「幸せにします。天国の慶輔に叱られないように、大切にします。全力で守ります。」
その言葉に慶輔の両親は二人で頭を深々と下げた。

「多香子ちゃん。」
「はい」
涙でぐしゃぐしゃな顔の慶輔の母が、同じく涙でくしゃくしゃな顔の多香子を見て微笑む。
「幸せになってね。私たちも、応援してるから。多香子ちゃんの幸せを誰よりも、慶輔も願っているわ。きっと橘さんなら安心してみているわね。」
その言葉に多香子の涙はさらにあふれた。