たとえ君が・・・

再び、深々と頭を下げる多香子の父に渉は話しかけた。
「頭をあげてください。」
「・・・」
多香子の父が顔をあげる。

「私はできた人間でもありませんし、仕事が忙しく多香子さんに家事を任せてしまうかもしれません。不器用で言葉足らずなところもあるので、けんかしてしまうかもしれません。でも、何よりも大切にします。全力でお嬢さんを幸せにします。」
「喧嘩は存分にしてください。そうして深くつながっていくんです。それに、娘は気が強いのでご迷惑をおかけするかと思います。でも、根はやさしくて人を大切にできる子です。どうぞ、よろしくお願いします。」
渉と多香子の父は深々と頭を下げ合った後に二人で笑いあった。


その後、多香子の母の作った昼食をたくさん食べた二人は多香子の実家を後にした。