たとえ君が・・・

「洗いにくいんですけど?」
自分にぴったりと寄り添ってくる多香子に渉が微笑みかける。

多香子は意外と甘えたがりだ。

そんなことを渉は考えながら洗い物を進めた。

明日も勤務があることが分かっている。あまり長居をすると多香子の負担になると渉は思っていた。

「はい。」
大きく一口分のアイスクリームを多香子が渉の口に運ぶ。
「うまいっ」
そう言いながらも手を止めない渉。
多香子は渉が帰っていくことが寂しかった。

洗い物が終わると渉は再びコートを着る。
その横でマフラーを持っていた多香子に渉が手を伸ばすと、多香子は渉の体に抱きついた。