たとえ君が・・・

クリスマスの夜以外で、どちらかの家にまだ泊ったことはない。
渉は前に進みだしたばかりの多香子を急がせたくはなかった。

「すきあり!」
そう言って横になっていた渉が多香子のスプーンからアイスを一口奪う。
「もう」
そう言いながら多香子も笑っている。

渉はアイスを食べ終えると大きく伸びをしてから立ち上がった。
ズボンのベルトを締めなおす。

そうすると多香子をベッドに残したまま、キッチンへ向かった。
「私がやるから置いておいて。」
多香子が声をかける。
「あぁ。大きいのだけ。」
渉はそう言って洗い物を始めた。
多香子がバニラアイスを持ちながら渉の横に来る。