たとえ君が・・・

多香子へ

この手紙は、俺が死んでから5年後のクリスマスに、もしも多香子がまだ再婚していなかったら渡してほしいと母さんに頼んだ手紙です。

昨日、担当医から俺の余命が長くないことを宣告されました。でも正直、こうして宣告されることははじめてじゃないし、俺はもう怖くはないんだ。

多香子。今、君は幸せですか?

俺のわがままで多香子の人生を大きく変えてしまったこと、本当にすまないと思ってる。

あの日、屋上で多香子に俺が気持ちを打ち明けた時、本当は多香子の気持ちが俺ではなく渉に向いていることに俺は気づいていたんだ。でも、どうしても自分の人生をあきらめきれなくて、ずるい俺は多香子を自分の病気を使って縛り付けた。多香子がこうして俺のそばに来てくれるってわかってたんだ。本当にごめん。

ずるいことをしてでも俺は多香子が欲しかったんだ。そのくらい、俺は人生をかけて君を愛していました。この気持ちはだれにも負けません。

病気の俺に、死んでしまう俺に何ができるか、どこまでできるかなんてわからないけど俺は全力で命を懸けて君を幸せにしたいと思っています。その気持ちは、たとえ病気で体がきかなくなった今だって、同じなんだ。だから俺が死んでもこの気持ちは消えないと思っています。