たとえ君が・・・

多香子が一生懸命言葉にして伝えていることを渉が相槌を打ちながら聞く。

「・・・読むのが怖い・・・」
「あぁ。」
「でも、慶輔の・・・言葉を聞きたい・・・」
「あぁ。」
「でも怖い。」
多香子の体を渉が抱き寄せる。

渉が自分がそばにいると多香子にメッセージを送っているようで、多香子は勇気が出るような気がした。

「隣にいてくれる?」
「いるよ。」
「・・・」
「いつもそばにいる。」
多香子は渉の胸の中で目を閉じ、そのぬくもりを感じながら覚悟を決め体を離した。