たとえ君が・・・

患者も胎児も状況は順調だった患者夫婦は深々と頭を下げて診察室を出て行った。

「ほっとしたよ。」
渉が多香子に話しかける。
「はい。」
「なにがあるかわからないもんだな。」
「・・・はい」
多香子は片づけが済むと次の患者のカルテを用意していた。

そのカルテを渉の机に置こうとすると渉が多香子を見た。
「クリスマスの予定は?」
「仕事中です。」
「ごめん。で、予定は?」
「約束があります。」
多香子は表情を変えずに渉に返事をした。
「残念。」
「すみません。」
多香子は渉に伝えると次の患者を呼びに向かった。