「お兄ちゃんは、大切な人よ。いつまでもそれは変わらない。私に夢を与えてくれた人だから……」

藍がそう微笑むと、如月刑事はいつになく真剣な表情になる。

「それは、恋愛としてか?」

「この気持ちは、幼い頃は少なくともそうだったかもしれないわ。でもきっと今は家族愛ね」

「それは本当なんだな!?」

如月刑事が嬉しそうに藍の両手を包む。藍は驚き、「大輔?」と首を傾げた。途端に如月刑事は恥ずかしそうになる。こんな如月刑事を見たことはない。

「……その……俺は、お前のことが……まだ好き……なんだ。……もう一度、やり直したい」

そう言うと、如月刑事は横を向いてしまった。

藍は驚き、目を見開く。しかしその目は一瞬にして優しいものに変わった。

「……はい。また、よろしくお願いします」

如月刑事が藍を見つめる。そして、二人は優しく抱きしめ合った。