シャツのボタンに、大橋君の手がかかる。
「顔、赤くなんかしちゃって。」

「…エロいね」

耳元で、吐息混じりに囁く。
エロいのは、きっとお互い様だ。
「…大人をからかいすぎよ。」
ボソッと呟いて、シャツにかけられた手をそっと離す。
「会社でこんなことはダメ。…それに」
「からかい半分で、するのもダメよ。」
ぼんやりと私を見つめる大橋君に言い放つ。
シャツのボタンも、髪もしっかり整え扉に手を掛けた。
その時。
「興奮したままの後輩を置き去りにするんですか?」
後ろから、力強く抱き締められた。
「…なっ!?」
だからダメだって言ってるのに。
そう思いながら、その腕を離そうとする。
「…バーカ」
は?
「いい加減にっ…!」
その手を掴まれ、何かを押し付けられた。
「!?」
「ちょっと…!」
さすがに察した。
性的な経験が数少ない私でも。さすがに。



” …俺の、興奮治まらないんです。 ”