「先輩!」
いつものように、明るく好青年のような笑顔を私に振り撒く。
「お疲れ様。」
「大橋君、珍しいね残業なんて。」
入社してから、残業していたことなんてあっただろうか。
そんなことを思いながら、言葉を交わす。
「今日、先輩だけですよね?残業。」
「あぁ、うん。」
もしかして、私に気を遣って残ってくれるのだろうか。
なんて、そんな自意識過剰な。
「私が残業だから、大橋君も?なーんて…」

ぐいっ

腕を引っ張られて、気づけば大橋君の腕の中。
「そうですよ。」
「ずっとこの時を待ってたんです。」
耳元で、力強く囁かれる。
「え、ちょっと待って!」
「嫌です。」
ぐっと、さらに抱き締められる。

「せっかく、二人きりになったんだから。」










” 僕のために乱れてもらわないと。 ”