「────────ゆず」



そう、後ろから声をかけられた。



振り返ると、そこには校門の前にしゃがんでいる鈴がいた。












──────────いや、この状況凄すぎる。





見知らぬ中学生と今日出会った友達とで帰るって・・・・・・千代ちゃん、桜賀くん、なんかごめん。・・・・・・鈴も鈴で気まずくないの!!?









鈴は全く気にしていなかった。




それより、疲れていた。




鈴はゆずの帰りをずっと待っていた。



彼は校門を通ってきた女子達にちやほやされ、もう疲れきっていた。





『僕?お兄ちゃんかお姉ちゃん待ってるの?』


『めっちゃ可愛いんだけど!!』


『迷子かな??お名前は??』





制服来てないとこんなにも小学生扱いされるのか・・・・・・。




今度から制服で来ようと思う中学生、鈴であった。




「え、えーっと、君、名前は?」



その桜賀の質問に鈴は正面を見たまま、



「御門鈴。作陽中1年」



なんとも可愛げのない応答だ。




「あたしは千代だよ。よろしくね鈴」




生意気少年にも優しい千代ちゃんはホントにいい子だ・・・・・・。





「えっと俺は、なとr・・・・・」




「千代さんはゆずの友達?」



「うん。そうだよ。あ、心配しなくても変な奴が寄ってこないようにするから大丈夫だよ」




「え、待って無視しないd・・・・・・」




「・・・・・・うん。わかった」




千代ちゃんとすーくん、仲良くなりそうだな・・・よかった・・・








3人は桜賀の話は耳を通り抜けていくようです。