響と正作は、休憩所の建物の裏へ来ていた。


なかなか話し出さないので、正作が切り出す。


「で、なんの話??」


「・・・あの、私が言っていいことかわかんないんだけど・・・」



正作は静かに聞く。



「私、鈴くんと、佐々木さんに嫌われたかな・・・。てか、嫌われてるよね・・・。小学校の時から・・・」


「・・・・・・??まぁ、嫌いかは知らないけど、好きではないね」




その言葉に、愛咲は悲しそうに目を伏せる。



「はは・・・・・・。そうだよね。ほんと私、馬鹿よね。自分勝手だった」



響は、泣きそうな顔で、自分を責める。


正作にも疑問だったのだ。


小学生の時に1度、クラスが同じになり、その時に愛咲は佐々木に嫌がらせをして、それを俺が鈴の代わりに愛咲にやめるように言ったのだ。




『もう、やめたら??』


『・・・・・・私もわざとやってるわけじゃない・・・』




その時、俺は鈴が直接言ってしまうと愛咲が悲しむと思って、俺から言った。


誰でも好きなやつから言われたら、嫌だろうから。



が、彼女は、どちらにしろ泣いてしまった。



その時俺はそれを見てるしかできなかったけど、愛咲はそのあと、佐々木とは喋らなかった。




『・・・・・・私もわざとやってるわけじゃない・・・』



けど、その言葉の意味がよく理解できなかった。




「なんで、あんなことしたの?小学校の時も、今年になってからも」



正作はキッパリと聞いた。今まで聞きたかったこと。


それに愛咲は、バツが悪そうに話し始めた。