中学校繋がるいつもの道を、鈴と瑠子は歩いていた。




結構時間かかったな。今日はゆずに会えないかー。





すると高校へ続く道から男女の笑い声が聞こえた。



まったく。今の若者は騒がしいな。




その声のする角を覗いてみると・・・・・・




「・・・・・・ゆず・・・・・・??」



「・・・あ、すーくん!!」




誰だよ。その男。





黒髪の、身長170以上は確実にある、男。




「すーくんも帰り?一緒に帰る?」



その男と、笑いあってたのか。



あぁ。やっぱり俺の考えが甘かったんだよな。


正作の言った通りだ。ゆずは確実にモテなくはないんだよな・・・。




「あ、女の子・・・!!もしかして、すーくんの彼女??可愛い!!」



「あ、いえそんな・・・!!」



なにそれ。



俺今までこんな頑張ってきたのに。俺の気持ちに気づいてくんないの。




俺が彼女にしたいのは、守りたいのはゆずなのに。なんでわかんないの。





「あ、傑くん、私の友達・・・?の、御門鈴くんだよ」




友達・・・??俺はゆずにとって、友達って部類にしか入ってないの??




「ゆずの友達・・・か。俺、すぐ・・・・・・」




ゆずってなんだよ。呼び捨てかよ。


俺と同じ呼び方、すんなよ・・・



「あ!!あの!!!!!」


瑠子が唐突に大きな声を上げる。




さっきまで俯いていた顔が起きる。




「私は佐々木瑠子です!!今日初めて御門くん喋りました!!だから、私は、これからもっと御門くんと仲良くなる予定です!!今後ともよろしくお願いします!!」




頭を勢いよく下げる。


すると、ハッと自分が何をやっているのか気づいたように、顔が真っ赤になる。




それに思わず笑ってしまう。



緊張とか、不安とかが頭の中から消えていく。



あぁ。いつも通りの俺だ。





「俺は!!御門鈴!!ゆずは今、俺の事友達って言ったけど、俺はこれから友達以上になるつもりだから!!そこんとこわかっとけよ、ゆずとそこの男!」




「・・・・・・ははっ2人とも面白い・・・!!(笑)」



「・・・あ!!そーゆーことね!!友達以上、親友・・・!!」





思わずため息がこぼれる。




ほんと、大変だ。




俺が好きになった人は、思った以上に手ごわい人だ・・・。





俺も頑張んないと。







俺の好きになった人は、誰よりも可愛くて、誰よりも優しくて、誰よりも素直だ。






一生かけても君をオトしてみせるよ。






覚悟しとけよ、ゆず─────────