「あ…そうだ。あのさ、もしあの商店街へ行くなら俺にも連絡して。」

「 …………んっ?」

「ほら、“ゆうがお楽座商店街”」

「へっ? ああ〜うん。」

「必ずっ!」

「 ……うん。てか、何で?(笑)」

「うん……あ〜っと確か、すんげぇ名物のコロッケが売ってる…はず。」

「(笑)ははっ。なんだ、そういう事。」

「うん、まぁそういう事。」

広斗は曖昧な表情を浮かべながらも照れ隠しに俯く。

「じゃっ。」私はスマホと御守りを胸に抱いて、今更…自分も照れたりして小走りにその場を後にした。



そんなに真剣な目で見送られたら…女の子はみんな広斗に恋しちゃうな。

もし、広斗だったら…

広斗が彼氏だったりしたら、

彼女さんを大事にしたりするんだろうな。

どんな事があっても…きっと、

未来に傷がつく…なんて言わないんだろうな。

何だろう…。

この気持ち。

嫉妬に近い。

私の未来に…この夏空のような出会いはあるのかな…。

広斗と一緒にいられる誰かを想像して、なんだか勝手に焼けてくる。

単純に、羨ましい…なんて思う。