「誤解すんなよっ。(苦笑)
引き揚げて救急車呼んだだけだよ。」

ぶっきらぼうに言って…クスッなんて笑う彼に……めちゃくちゃ恥ずかしくなる。

秒で想像した…自分に恥ずかしくって耳まで熱くなっているのを感じて…目を逸らす。

「あっ…ヤベッ?怒った?」

そう言って私を覗き込む広斗に、慌てて顔を上げる。

声を振り絞る。

「助けてくれて、ありがとう。広斗君。」

「広斗でいいよ。」

「 ……ありがとう……広斗。」

「あっ…(笑)うん。」

照れ隠しに目を逸らす…広斗がなんだか可愛くて…今度は私がクスッと笑った。

「あ………つか…あのさ。
コレずっと返そうと思ってて…あの日、お前が落としたヤツ。」

広斗はポケットからソレを取り出すと私の前で、手を広げた。

あ………ソレ………。

「ずっと、早く返さなきゃって思ってたんだけど…なんか、タイミングっていうか…。
俺、拾って良かったのかな…なんて思ったり…。」

「……コレね、私の。」

「御守り、でしょ。」

「うん。私の…。」