瑠璃は、じっとこっちを見て…

とても真剣な目で私の顔を見つめた。

それから…

私の目の下に、溜まっていた涙の雫を…親指でそっと触れると、優しく拭った。

 

吸い込まれるような瑠璃の瞳の瑠璃色に、

溺れそうに…なる。

近づく瑠璃の美しい顔に、

倒れそうに…なる。


「 ……よし…分かった。」

そう言うと瑠璃は、パッ…と身体を起こす。

私も、ハッと我に返る。

「今日は帰らなくていいよ。」

「 ……えっ……。」

「 占いがそう言うから。
赤い飴玉と “ 更紗三ツ尾和金 ”

………。赤い糸。 運命の糸。」

私と瑠璃は顔を見合わせて、同じタイミングで吹き出した。

「 (笑) 瑠璃の占いは…本当に…都合がいいっ。」

私の瞳が…泣き笑いに変わる。

ホッとして、なんだか嬉しくて涙が出た。

「一晩…ゆっくり考えればいいよ。

言いたいことは、ちゃんと言わなきゃ。言葉にしないと気持ちなんて伝わらない。

だから、ここで…考えればいい。」

「 ありがとう…瑠璃。」

「それから…恋に傷ついた心は、本当の愛を知って初めて治るんだ。

きっと……。

だから、今は泣いてもいいんじゃないかな。

ここで、一晩中。

カラの水槽が……涙でいっぱいに溢れるくらい。」