「ねぇ………瑠璃。 私ね…… 」

「 ……ん?? 」

優しく私をのぞき込む瑠璃と目が合うと全てを聞いてもらいたくなる。

私の傷を…瑠璃に話したら、少しは楽になるのかな…なんて…。

金魚を代わりになんかに出来ないって分かってるけれど……このやり場の無い、愛しくて悲しい想いは…こうする他にどうにもならない。


やっぱり…言えない。

やっぱり…ダメ。

きっと引くだろうな。

無抵抗なお腹の赤ちゃんを…私は殺した。

瑠璃のピュアな瞳は、きっと私を軽蔑する。

きっと…この行き場を無くした母性に重くなって引くだろう。


「 …どうした? 」

「う…ううん。何でもない。」

私は瑠璃から目をそらして俯く。

「あ………。ごめん、大丈夫?」

「 えっ………。」

瑠璃から、ごめん…なんて言葉を聞いて、驚いてまた顔を上げる。

「 今、菜乃ちゃん…とっても悲しそうだったから、言いたくない事って、誰にでもあるかな…って。」

「 瑠璃……。」

「自分が傷つくなら…言わなくていい。」

「 …………。」

「菜乃ちゃんが、今…幸せだって思うことを探せばいいよ。」

「何で……?何でそんな事言うの…?
何で…分かるの…。」