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マーカーのペン先に力を込めて文字の語尾を締め括る。

私は大きく息を吸い込んで…そっと細く長く息を吐いた。

「100年…想い続ければ、願いは叶うんでしょ。」

「そう言われてるっ。100年分の想いを込めれば夢に近づく事が出来るって。
強い想いはきっと力に変わる……それが100年絵馬だって…俺のじいちゃんが言ってた。」

「……わかった。」

私と広斗は順路とは逆に100年絵馬の奉納スペースに足を踏み入れた。


こうすれば……瑠璃に会える?

もう一度……瑠璃の背中にぶつかる事ができる?


夕方に近い太陽の傾き…けれど、暑さはまだジリジリと私たちに覆い被さってくる。

私と広斗は、縦横…複雑に配置された奉納スペースを順路とは逆に進む。

何百、何千…何万…と生温い夏の風に揺れる絵馬たち。

カタカタ…カタカタ…と音のウェーブは私たちを誘い手招く。