どういうこと…?

夜市は…? 広斗と、あの神社で会ったよね。

20年前……?何…ソレ。

  はぁ…はぁ…苦しくなる息。

それでも私は何かに縋るように…走る。

祈るように…スマホを握る。

  広斗…教えて…あの神社で…

この気持ちは何なの。

とにかく、不安を振り切るように走る。

3度、繋がらなかった広斗から返事の着信が光る。

「広斗っ! はぁ…はぁ… 」

「どうしたぁ〜。」

広斗の呑気な声に少しホッとしてさっきの夢を思い出してドキっとする。

ホッとしたり、ドキっとしたり…騒がしい自分。

「ねぇ…広斗。あの日、神社で会ったよね…あの日…はぁ…はぁ…」

「ん、あぁ〜。てか、走ってんの…?」

「広斗もあの日、夜市へ行ったの?」

「(笑)はぁ? だから何で走ってんの?(笑) 夜市は……」

ブチっ………!!

広斗の声が突然遮断される。

「広斗?…もしもし、広斗ってばっ!!」

バスの運転手に手を振って、ギリギリで乗せてもらう。

息をついてつり革に捕まると、窓に写った自分をしっかり見つめた。

   会いたい……

   会いたいという事を確信する。

   会いたいよ。 今すぐにっ…

     瑠璃………!!