さすがにこれを取ろうとすれば引きはするだろう。
ここまで嫌われようと必死な自分がバカみたいに思える中で、俺は小銭を投入した。
「……やっぱりスタイル良い人が好きなの?」
だというのに隣にいる氷野は相変わらず引くことのしない反応をする。
「このキャラが好きなだけ」
「でもすごくスタイル良い…露出たくさんしてる」
それをなんで今言うかな。
じーっと動くクレーンを他所にキャラクターを見つめ、何やら観察をはじめ出す。
「高嶋の好きなタイプ…」
いや違う、と咄嗟に言いそうになったが我慢する。
まさかフィギュアで俺の好きなタイプ探しを始めるとは思わなかった。



