「好き、だったら何。
あんたに関係ある?」
まだ少し冷たい言い方だったのだが、動揺しているようにも思える。
強気の氷野に負けじと良晴は机に身を乗り出した。
「今颯斗って彼女と別れてすっごい落ち込んでんだ。
そんなの見て見ぬ振りなんて友達だからできない。
少しでも颯斗に元気を取り戻してほしい、すなわち俺は氷野さんの恋を応援するぜ!」
あー耳が痛い。
今すぐ耳を塞ぎたい。
目の前で裏切りが起こっている。
というか堂々と俺を裏切りすぎだろう。
何氷野の肩を持ってんだこの男。
失敗した、これは逆に大失敗を生んでしまった。
嫌われる作戦が逆に勇気を与えてどうする。



