「なんで本郷がいるの?」
「ひっ…」
ついに怒りが爆発してしまったのか、良晴に視線を向けた氷野。
やめてあげてくれ、良晴が怯えて震えている…とは言ってやれない。
心の中で良晴に謝りつつ、俺は黙って問題を解くことにした。
「お、お、俺はですね…あの、颯斗に頼まれて…」
「……高嶋が?」
「決して俺の意思じゃありません!」
まあ大体予想はついていたが、全部俺に責任を押し付けてきた良晴。
事実なのだが、少しは友達としてフォローしてくれなかったのだろうか。
別にこうなるほうが好都合なのだけれど。
わざと良晴を呼んだのだ、氷野も少しは俺への好感度が下がっただろう───



