「でもどうしてそんな噂…」
「さぁな。歳上の男と出かけてるって噂だったぞ」
「歳上……お兄のことかな」
「お兄さんがいるのか」
「うん。今は大学3年生だから、5歳差」
それなら誤解されなくもないか。
氷野ほどの美少女なら、きっとお兄さんも相当なイケメンだろう。
「じゃあその可能性もあるな」
「そんな…誤解されるなら高嶋と」
「それは諦めような。ほら、氷野だったらもっと他にいい男見つけられるだろ」
「いい男なんて高嶋しかいない」
「なあ、なんでそんなフィルターかかってんの?」
少し度が過ぎているのではないか。
ここまで好かれるようなこと、した覚えがない。



