一足先に立ち上がり、図書室を出ようとする俺に負けじとついてくる氷野。 こんな性格してたっけ。 負けず嫌いとかプライドが高いとか、そんなこと一度も聞いた覚えがない。 「高嶋、先に行かないで」 「…………」 何なんだよこいつ。 氷野の初めて見る姿に正直戸惑いしかない。 寂しそうな声を上げて追いかけてくる彼女を到底無視することはできない。 いつもの冷たく感情のない声はどこへいった? 考えたところで答えが見つかるはずもなく、大人しく足を止めることにした。