「颯斗って見た目がクールな割に優しいし、それに加えてバカ。クラスの女子から評判高いってよ」
「…さりげなバカにしただろ」
「実際バカじゃん。見た目と違って勉強はできないし、元カノを長々引きずってて女々しい。あとは…」
口を開けばすぐ俺の悪口。
しかも本人の前で言うのだからタチの悪い。
「ここの高校の偏差値舐めんな」
「ギリギリ合格だろ?それに男として千智よりいい高校に行きたいって、数ヶ月本気で勉強しただけ」
少し言い返そうとすればまた千智の話。
そのため何も言えなくなってしまう。
「もう諦めて次の恋に行くことだな。
例えば…氷野さん辺りとか!」
「絶対ふざけてんだろ」
わざと大きめのため息を吐いて良晴を睨む。
今こいつが名前を出した人物は、付き合うどころか近づくことさえ困難な女子だ。