* 放課後。 教室から一歩外に出れば蒸し暑く、ジメジメしている。 氷野より先に図書室に行こうという考えがダメだった。 帰ろうとする生徒の流れに呑まれてしまったのだ。 そのため中々図書室に行けないどころか、人混みのせいで一気に体温が上昇する。 「あっつ…」 図書室に着いた頃には暑さでやられており、だいぶ滅入っていた。 中は静かで先生しかおらず、軽く会釈された。 そのため俺も頭を下げ、自習スペースへと移動する。 本に興味などない俺はそこに座って氷野を待った。