「それで氷野が遊んでるって言いてぇんだ?」
「あくまで噂だろ」
「まあ氷野がどうしようが俺たちに関係ないだろ」
「そうだけどさ…ツレねぇやつ」
とにかく今の言葉を聞いて一安心。
氷野には男がいるということだ。
じゃああの言葉はきっと何かの勘違いだったのだろう。
これで今日の放課後、安心して図書室に行ける。
「俺は忠告したからな」
「あ?」
「千智に振られて傷ついてんのに、またさらに氷野さんで傷つけられても知らないぞ!」
「バカみてぇなこと言うな」
今は他の女と関係持つとかそんなこと、一切考えられない。
良晴の被害妄想に呆れつつも、少しだけ放課後が訪れることに気が楽になった自分がいた。



