【放課後 図書室】
たったの六文字が俺の心にズシリとのしかかってきた。
呼び出しだ、呼び出しを食らってしまった。
おそらく勉強のことでだろう。
これでもう氷野を避けられなくなってしまった。
どうするべきだろうかと悩み、嫌な汗が背中を伝った気がした。
「お、おい…どうしたんだよ顔色悪くして」
「いや、なんでもねぇ」
慌てて紙をクシャッと丸め、ズボンのポケットに突っ込んだ。
この間のことには触れないべきだろう。
だがもし氷野から触れてきたら?
チラッと氷野に視線を向けたが、彼女は表情を変えずにノートと向き合っているのみ。



