ピュアな彼女の甘すぎる素顔





「……っ!?」


先ほどまで席についていた氷野が俺の方向へと近づいてきたのだ。

何を言われるのかと少しばかり身構えていたが、氷野から渡されたのは小さな紙切れ一枚だった。

「これ」

さらに一言、そう付け加えただけでまた席に戻ってしまう。


「……は?」

ワンテンポ遅れて間抜けな声が出た。

その時にはすでに氷野は自分の席についており、表情ひとつ変えずノートに書き込みを始めていた。


「お、お、おい颯斗…!
何もらったんだよ!」

「何って、紙だろ」
「な、内容は…!?」

「良晴に見せる権利ないだろ」


なんとなく嫌な予感がして、恐る恐る紙を開いて中を見ればそこには綺麗な字でこう書かれていた。