「わっ…すごく美味しい」
運ばれてきた和風パスタを美味しそうに食べ、終始上機嫌だった彼女。
そして食べ終えた後、映画館へと戻れば丁度良い時間になっていた。
「これ、氷野が観たかったのか?」
「……うん」
絶対に嘘だ。
今少し間が空いた。
どうやら黒河が仕組んだことで間違えなさそうだ。
また変なことを氷野に吹き込んでなければ良いが。
そう思いながらも館内へ入り、ジュースとポップコーンを買って指定した席へと座る。
「ねぇ颯斗」
「ん?」
「この後ってどうする?」
「この後?」
そういえば特に予定は決めていない。
その場の流れで行こうと思っていたが、氷野は気になっていたようだ。



