「…やっぱり教える」
「氷野?」
「高嶋に勉強教える。
どうせひとりじゃやらないんでしょ」
鋭い目つきで俺を見てきた氷野。
そのため拒否ができなくなってしまう。
どうやら受け入れるしかなさそうだ。
「わかったよ…でも氷野はいいのか?」
「何が」
「俺に勉強教えるって手間だろ」
「ううん、手間じゃない」
こう見えて人に教えることが好きなタイプなのだろうか。
それしか理由が思いつかない。
「まあなるべく俺も自分で勉強するよう頑張るから」
氷野に教えると言われてしまえば、負担をかけさせまいと思ってしまう。
そのため自ら進んで勉強をしないと、学年トップクラスの成績を誇る氷野に傷をつけてしまうことになる。