「すごい、こんなお店知らなかった…」
チェーン店などではなく、個人経営の小さなレストランであるそこはお洒落な雰囲気で静かな空間だった。
中に入っただけですでに氷野は気に入ってくれた様子。
いちいちリアクションがかわいいことには触れないでおく。
「和風パスタ、ある…!」
「ここ、デザートも美味しいからオススメ」
「本当…?食べたい」
まるで子供のようにワクワクした表情。
思わず手を伸ばして、触れたくなる。
見た目は綺麗で美しい、そんなイメージだったはずが、今ではもうかわいいに転換している。
俺の前ではにこにことよく笑う氷野。
少しだけ優越感がある。



